もし日本語教師がアラビア語を勉強したら
日本語教師とは語学のプロ(のはず)。そんなプロ(の駆け出し)が語学に挑戦したら、どうなる?をテーマに始めたブログも、アラビア語学習編、ヨルダン生活編、日本生活復帰編を経て、大学院編に突入します!

読書メモ:論文の書き方

「論文の書き方ー査読者との対話としての投稿」石黒圭先生
(「専門日本語教育研究」Vol. 14 (2012) p. 3-10)


・研究の基本:
①問いを立てる:研究上の問い(リサーチ・クエスチョン)を立てる。
→自分が明らかにしたいことを1文で疑問文で表せ。

②方法を考える:先行研究を参考にしながら,問いを明らかにする方法を考える。
→質的研究か、量的研究か。
 質的研究の場合、内政を働かせたり、会話分析など主観を交えない詳細な記述をしたり参与観察など。
 量的研究の場合、アンケート超ソアなど。

③結果を示す:その方法にもとづき実際に調査した結果を提示する。
→①の問いに対応するような結果をだす。分類や分析が必要。
 統計とか。

④考察を行う:なぜそうした結果になったかその理由を考える。
→調査後に分からなかったことをフォローアップインタビューをして「なぜ」の答えの参考にする。

・先行研究について
 引用しないなら参考文献に載せないほうがいい(これはI先生にも聞いたが、びっくり!今までやってたよ!)
 参考文献は引用文献であり、言及文献。

・実際の研究の進め方
1)テーマの選び方
 自分の好きなこと。関心があること。

2)リサーチクエスチョンの立て方
 先行研究を調べる。どこまでが明らかになって、どこが未開拓なのか。
 また、テーマを絞る。比較対象を定める。
 (比較をすることでそれぞれの特徴が可視化できるようになるから)
 パイロット調査をして、結果が出そうかをチェックしてから本格的な調査へ。
※修士論文で取り組むテーマは失敗しなさそうで、面白い結果が出そうなものがいい。

3)調査結果を分析し、考察する。
  この時に、この論文を読んだ人がどう思うか、どんな疑問を持つのか、どんなコメントをもらえるのかを考えながら書き進めるといい(仮想の査読者との対話)

参考文献:
・石黒圭: この 1 冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本,日本実業出版社,東京 (2012)
 

【感想・メモ】
わかりやすい、読みやすい。
読み手を意識して頭に入りやすい文章と構成。
私も石黒先生の本を参考に、リサーチクエスチョンを建てたものの、ゼミで発表して撃沈。。。
その後いろんな人にアドバイスを求めるたびにフラフラする。
センパイインタビューの中でも1年生の時に迷っているという話は何度か聞いたので、こんなものかと思いつつ焦る今日この頃。
基本に戻って、自分の興味をしっかり見つめて実現可能なリサーチデザインを立てなきゃー。
スポンサーサイト

「反転授業ワールドカフェ」に参加してきました!

去る8月26日(土)、武蔵野大学で開催された「未来の先生展」というイベントの「反転授業ワールドカフェ〜世界の実践者とつながって語り合う教育の未来〜」というイベントにオンラインで参加しましたので以下、まとめます。
講演者はジョナサン・バーグマン氏、田原真人氏です。
詳しくはこちら。



1. 田原氏インスプレーショントーク
今、社会はパラダイムシフトしようとしている。
産業革命から世界は巨大な機械と考えられていた。
人間は機械のように同じ動きをすることで秩序を保っていた。
そのため情報は管理者のみが持っている。
管理者に黙って従うことが求められていた。そのため、服従、時間厳守、忍耐強さや思考の規格化(同じように考える)が必要なので、当然教育もそのような能力を身につけるための教育をしてきた。
この機械のような世界では世界は決まった法則で動いているため、ある程度決まった(必要な)作業をしていけば欲しい未来が手に入った。
ゴールは未来。ゴールから今すべきことが明らかになった。

しかし、22年前からインターネットが生まれてからこの理論が通じなくなってきた。
インターネットによって世界が強くつながって、1つの生命体のようになってしまった。そのため、あらゆるものが繋がりあって複雑な現象が起きるようになった。

機械のような世界では一部だけを見て他は無視して法則を見つけられたが、生命体のような世界でそれは通じない。
世界中が強くつながっているため、一部だけを見て他を無視できなくなってしまった。

そのため、今後秩序を保つためには自然が持っている「自己組織化する能力」が重要になっている。
「自己組織化する能力」とは、木は自然と寄り集まって森を作る。
私たち人間も同じように自然と集団を形成し、互いに助け合って組織化し、秩序を作っていく。

「自己組織化する能力」を身につけるための教育には何が必要か。
1. 自然のように一人一人が自由になって生きたいように生きる。
 (自分自身であること)
2. 情報は組織の構成員がそれぞれ持っている。対話や組織学習によって情報を共有し、進むべき方向を見出していく。
 (違いから学ぶこと)
3. 今から未来を作る(成功パターンはないので、今していることから最善の未来を創っていく)
 (内省によるリフレーミング)

今後の教育は、安全な場所で自分を表現していくことが必要。

2. バーグマン氏インスピレーショントーク
反転学習3.0について
(反転学習1.0では学生の成績や教師の満足に集中していたが、3.0では1つのテクニックとしての反転学習ではなく、様々な教育方法に使えるメタ教育方法に進化しているという考え方に進化。詳しくは後述)

バーグマン氏による質問:教室の対面授業は何に使うのがベストか?
→できるだけ生徒と向き合う時間にしたい。
 Marzano Research の調査(アメリカの授業では何に時間を割いているか)
 58%講義(新しい内容に取り組む)
 36%学んだことを実践する、練習して深める
 6%仮設の生成と検証を含む複雑な課題に取り組む
 …田原氏のインスプレーショントークで話していた機械のような世界における教育と同じ。

ベンジャミンブルームの分類法によると、勉強とは以下のように単純なものから複雑なものへと段階を追っている(下が一番簡単)
 創造(最も技術が必要:仮設の生成と検証を含む複雑な課題に取り組むなど)
 評価
 分析
 応用
 理解
 記憶(単純、覚えるだけ)
→反転学習にすることによって授業内でのヒエラルキーを反転させられる
 →とはいえ、全てを逆転するというよりは、分析と応用が一番大きいダイヤ型→
  になるのが現実的。

>反転学習とは?
反転学習は新しい教育テクニックではなく、メタ教育テクニック
反転学習はビデオ学習といった一つの形をとる教育手法ではなく、
反転学習はいろんな学習を支えるためのメタ教育てニックである。
どんな教育方法でもサポートできる。
反転学習はOSで、PBL(プロジェクトラーニング)やMasteryなどはアプリのようなもの。

>なぜ反転学習は成功するのか?
 理由は2つ
 1)能動的な学習(アクティブなラーニング)環境が作れる
 2)見落としがちなポイントだが、教師と学生や学生と学生の関係が良くなるという理由も。
   安全に学習できる場所があるから。

>反転学習は様々な問題を解決できる
1)学生の低い理解力が解決できる。
2)教師の不満を解決(教師の不満ってどういうこと?どうして嬉しくなる?
3)成績向上(特に最も低い人たちが向上)

ワールドカフェ(ハーベストで話し合った内容も含めて)
セッション1:教室で何をするのがベスト?
・話す、アウトプットする、アクティブラーニング、文法は自学でいい。
・沈黙、内省でもいい
 →熟成する時間になるから。


セッション2:反転授業で教室の学びが変わることで、未来はどう変わると思いますか。
・自分で考えたことを表現できる時間が作れる=自分らしく生きられる
・インタラクティブな時間が増える、いろんな価値観に触れられる
・反転学習だけじゃ変わらない。
 でも、教員というか教育観を変える方が大事。(どうやって変えるかはみんなで考えよう)
・それぞれの学習目的にあって学習できる=序列を作らない=平和
・自分で実践したことから学えるようになる
・学生同士のスキルの差があっても、学びあえる。助け合える。
 そうやって学び合い、助け合いの中で社会が作られる。→機械じゃない社会が作れる。

以上です。

勉強会メモ:ルーブリック評価について

先日、非常勤講師として働いている日本語学校で、評価のルーブリックについて勉強会があったので参加してみました。
これは東京大学のオンライン講座の「動画で学ぶ」を見て、その後ディスカッションや活動を通してルーブリック評価を体感する、と言う内容でした。

なので、まずはこちらの動画を見ます。
東京大学 インタラクティブ・ティーチング week6「WEEK 6 学びを促す評価」


さて、まずは動画をどれだけ理解したかをチェックします。

この動画の到達目標は?

1.評価の意義について説明できる
学生にとっての評価の意義...到達度の把握、学びの支援
教師にとっての評価の意義…理解度の確認支援、授業の改善
機関にとっての評価の意義…質の保証、説明責任


2.統括的評価と形成的評価の特徴について説明できる
・統括的評価:合否判定、最終的にパスできるかどうか(最後にチェック)

・形成的評価:理解度を図はかるためのもの、コースの段階で評価する(通常、成績には含まれない)


3.評価の’評価’において重要な点を説明できる
信頼性:同じぐらいのレベルの学生が何回やっても同じ結果がある
妥当性:測りたいものが測れているか
…これが難しい。センター試験の問題点。
客観性:違う教師が測っても同じ
効率性:採点に時間がかからない


4.ルーブリックの基本構成を説明できる
・課題:一番上のタイトル…教員が期待することを入れる
例)✖️プレゼンテーション→○アンケートで取った内容のプレゼンテーション

・評価観点:一番左の項目…一般的に7つまで
※質についての文言を入れない。質は評価基準に入れる
・評価尺度:ABC(優劣)…5つまで
・評価基準:具体的に記述

5. ルーブリックの作成手順を説明できる
1.評価観点を決めて
2. 尺度の段階数とラベル(段階)を定める
3.評価基準を定める(作る順番は、一番いいもの→悪いもの→真ん中)

以上が、動画の理解度チェック。

続いて、実際にルーブリックの評価基準を作る活動をしました。
今回は評価課題と尺度はすでに指定されていて、中身である評価基準を作る活動をグループでしたのですが、、、
その活動を通して思ったこと。
・模範的なものはとてもよくしたほうがいい
・文章化するのが難しい。
・中間の尺度が難しい。比較の「は」が多い。
・尺度が3段階は難しい。最低に付ける場合は少ない。
・曖昧な表現を避けるためには数字を入れたほうがいいが、数値化するのが難しい
・実際の授業では…学生に対しての場合、わかる言葉で言うのが難しい、点数化するのでルーブリックの意味がなくなるのでは…?

でした。

そして、他の人たちの意見としては、
ルーブリックを作って見て、、、各グループふりかえり
細かく書きすぎてチェックリストになってしまう。文章化が難しい。
模範的→要指導→標準の作り方が難しい。標準から作るグループもあり、標準を決めるのが難しい。
ブラッシュアップ(いろんな人の意見)が必要。
課題自体に個人差があるので、定義しないで基準を決めるのが難しい。
挨拶はコミュニケーションか、態度か…どちらの項目にするか迷う。
性格ややる気をどうはかるのか。
ラベルが「標準」だと、標準から決めたくなる。
望ましい態度コミュニケーションの取り方とい項目が曖昧だと基準を作るのが難しい
抽象的な言葉を使うと人によって違うので難しい。
語彙の違いで評価観点が変わっていく。

でした。

以上。

(本当にメモだな...)

オンラインセミナー「チェコとインドネシア間のスカイプ会話プロジェクト」メモ

論文ではないのですが、国際交流基金のブダペストセンターのオンライン日本語教師セミナーを拝見したのでそのメモです。

「チェコとインドネシア間のスカイプ会話プロジェクト(仮)」JFBPオンライン日本語教師セミナー

発表者はチェコのマサリク大学日本研究科のJura Matela先生。
チェコの有志の日本語学習者とインドネシアの日本語学習者とでスカイプを使ってインタビューをし合うプロジェクトをしたそうです。
そのことについて発表していました。

まず、なぜチェコとインドネシアが繋がったのか?というと、Jura先生が留学中にインドネシアの先生と知り合ったので今回のプロジェクトをすることになったそうです。

このプロジェクトは、スカイプで相手の情報(学習動機や学生生活について)をもらって、その結果をプレゼンテーションにして発表する、という内容だったそうです。

インプットだけでなく、アウトプットもしなければいけないんですね。

このプロジェクトの結果、私は「学習者同士の繋がりや、互いの国の印象はどうなったのかな〜」と思い、質問してみましたが、あいにくパイロットプロジェクトだったせいか、あまりこの点についてはフォーカスしていなかったようです。
この会話の目的は「日本語をコミュニケーションのツールとして使う」ことだったので、互いの国についての印象が変わったり個人的な関係ができたりなどはなかったようです。。。(個人的には残念ですが...)

やはり、チェコとインドネシアの日本語学習者、ということで、互いの国より日本の方に興味があったようです。

また、文化的な違いというか、チェコ側の学生はスカイプをする際に一人で対応していたのに対し、インドネシアでは複数の人が集まって会話を見学したりしていたそうです。
(チェコ側はやりにくかったようですね....)

今回は1回だけのセッションで目的が「コミュニケーションの道具としての日本語」だったので、互いの交流にはあまりフォーカスしていなかったことがわかります。
外国人とのコミュニケーションの道具として日本語を使ってみて、チェコ側の学生たちはちょっと物足りなかったという感想が多かったそうですが、それはレベル差があったからだとJura先生は言っていました。
やはり同じぐらいのレベル、もしくは自分よりも少し高いレベルの人と話をしたいものなんですね。

とりとめのないメモですが、以上です。
詳しくご覧になりたい方は上のリンクから録画ページに飛べますので是非、ご覧ください!

平山花菜絵さん「ベトナム人日本語学習者のソーシャルメディア利用状況」メモ

北海道大学大学院の平山花菜絵さんの「ベトナム人日本語学習者のソーシャルメディア利用状況」を読みました。
リンクはこちら→「ベトナム人日本語学習者のソーシャルメディア利用状況」

ソーシャルメディアと日本語学習について私も研究したいと思っていたので、まさにストライク!!な文献でした。
ベトナムのハノイ日本語学習者196人に対して、ベトナム語などソーシャルメディアの利用状況と日本語のソーシャルメディアの利用状況を調査した結果が書いてありました。

よく使われているソーシャルメディアはfacebookだそうです。
また、日本語のソーシャルメディアを利用している人は日本語学習歴が8ヶ月以上の人が多いそうです。
なるほど。学習の初期段階ではまだ使うところまではいかないということでしょうか。

まとめと課題に、「どのようにソーシャルメディアを使って学習につなげているかを調べる必要がある」「そこで日本語教師の役割とは?」と言ったことが書いてあり、大いに共感!!!

私もソーシャルメディアと語学学習の関係研究したいな〜。
人間の教師の役目って何があるのかな〜。
人間だからこそできることって何かな〜。
ソーシャルメディアがあるから、いまはどこにいても言語を使って人と繋がることができるよね〜。
そんなことを盛り込んだ研究計画書だったので、大変参考になりました!!

平山さん今後の発表が大いに楽しみです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。