もし日本語教師がアラビア語を勉強したら
日本語教師とは語学のプロ(のはず)。そんなプロ(の駆け出し)が語学に挑戦したら、どうなる?をテーマに始めたブログも、アラビア語学習編、ヨルダン生活編を経て、日本生活復帰編に突入します!

第17回 ヨルダン日本語弁論大会 その8 スピーチ部門の感想

スピーチの感想(と思い入れ)
スピーチ部門。

スピーチは制限時間が5分で、テーマは「人生で一番幸せだったこと」「私の好きな言葉」「私の好きな人」のいずれかから1つ選べます。

動画リストはこちら。

以下、個別の感想&発表者について。

①アラーさん「人生で一番幸せだったこと」
動画はこちら

アラーさんはヨルダン大学と一般公開講座、両方に通っている学生で、お兄さんも弟も日本語を勉強しています。ちなみに、今年の司会の男性はアラーさんの弟(!!)です。
アラーさんは去年、プレゼンテーションの部門で3位でした。
そして、大使館/内閣府主催?の交流プログラムで日本へ3週間ほど行っていました。その時に体験したことを話していました。
岩手でのホームステイや富士山見学など、憧れていた「日本」でいろんな経験をすることができて、幸せだったと言っています。これからもいろんな冒険をしてほしいですね。

②マヤダさん「わたしの好きな言葉『絆』」
動画はこちら

マヤダさんもアラーさんと同じプログラムで日本へ行きました。そしてマヤダさんは大学や講座では日本語を習ったことがありません!
お姉さんやお父さんが日本へ行ったことがあるので、家族の中で日本語を勉強していたのかもしれませんが、ほぼ独学です。もちろんスピーチコンテスト前には私たち教師が一緒に練習もしましたが、我々の助けが必要ないぐらいのレベルでした。
マヤダさんはスピーチの構成が面白いです。自己紹介をしない、というスピーチ。
日本でも「絆」という言葉がたくさん使われていますが、なぜ「絆」が大切なのか。という内容のスピーチに胸が熱くなりました。

③ヌールさん「わたしが尊敬する人『小畑健先生』」
動画はこちら

ヌールさんはヨルダン大学の日本語コースで勉強していた学生で、レベル3が終了してからは自分で日本語を勉強しています。また、専門はITエンジニアですが、マンガを独学で勉強している学生です。
彼女の発表は一番好きな、そして尊敬しているマンガ家の小畑健先生について話していました。
マンガを好きになったきっかけは、小畑健先生のマンガを見たことだそうです。
そして今もマンガを書き続けるのは、マンガを書くことで心が安定するからのようですね。
これからもマンガと勉強の両立をがんばってほしいです。

④ウマルさん「わたしの好きな言葉『お・も・て・な・し』」
動画はこちら

ウマルさんは一般公開講座で勉強している学生です。
ウマルさんは普段からものすごく静かであまり表情のない学生なので、最初は「ちょっと怖い人なのかな?」と思っていましたが、今回のスピーチコンテストの練習を通して、とても純粋で努力家で、そして意思が強い人なんだということがわかりました。
といいますのも、彼は原稿を全て手書きで、しかも最初から漢字まじりで書いてきました。
そして、「この言葉は難しいので◯◯に変えた方がいいんじゃないですか?」と言っても、それぞれの言葉の意味を慎重に確認して、自分で反芻してから、「いえ、この言葉がいいです」と譲りませんでした。
それだけ自分の言葉を大事にしているんだな、と感心しました。
彼は今私の受け持っている中級レベル1で勉強していますが、スピーチコンテストの前後から授業中での発言も増えました。私という人間に慣れてくれたからかもしれません。嬉しいことです。
スピーチもタイムリーでヨルダンの文化と日本文化との比較が面白かったです。


⑤アヤさん「わたしの好きなことわざ『楽観的になると良いことがおこる』」
動画はこちら

アヤさんもウマルさんと同じく一般公開講座で中級レベル1を勉強している学生です。
彼女は読書が好きで、よく英訳された日本の本を借りに大学のオフィスに来るので顔見知りではありますが、静かな学生なので深く話したことはありませんでしたが、スピーチの原稿作りや練習をとおしていろんな話しをするようになりました。
彼女が選んだ『楽観的になると良いことがおこる』はアラビア語のことわざです。
でも、楽観的になるだけでは良いことはおこらない。さあ、どうすればいいのか!?という内容です。
特に「つらいことがあると、嬉しいことに感謝するようになります」という彼女の言葉は心に深く突き刺さりました。本当に、そのとおりです。

⑥マイさん「わたしの好きな言葉『幸せ』」
動画はこちら

マイさんは一般公開講座のレベル4で勉強している学生で、明るく社交的な性格で、日本人との交流を積極的にしている学生です。
最近はFacebookやメッセージでもできるだけ日本語を使うようにしているので、会話力がどんどんついてきていると思います。
マイさんがのスピーチで「幸せは人から人に伝わるものです。ずっとポジティブでいましょう。なぜならあなたの幸せは人に広がっています」から続く最後の部分が大好きです。
私も笑顔でいないとな〜と思いました。

⑦ラシャーさん「わたしの好きなことわざ『インマア(付和雷同)にならないで』」
動画はこちら

ラシャーさんもマイさんと同じくレベル4の学生です。
最初、「付和雷同にならないで」というタイトルを聞いたとき、「え?」と思ってしまいました。
もちろん、「付和雷同」の意味は知っていますが、「付和雷同にならないで」というフレーズで使ったことがなかったので。
彼女のスピーチを聞いて、「ああ、だからいつも授業中に『その説明じゃわかりません。納得できません』ということをよく言うのか」と納得しました。
彼女はスピーチの中で、自分がなぜイスラム教なのか、そしてなぜイスラム教の中からテロリストと呼ばれる人が出てきてしまったのか、ということまで話していました。
とても深い話でした。

⑧ヒバさん「わたしの好きな格言『心に火をつける教師』」
動画はこちら

ヒバさんは学校の先生で、その経験をもとにスピーチをしていました。
自分も同じ教師として、勉強になったというか感心したというか、、、心に火をつけられました。
彼女はものすごく緊張していて、もう朝から一言もしゃべらなかったので心配していたのですが、なんとかスピーチを終えられました。
私は緊張する彼女に「大丈夫、スピーチを楽しんで!」と言いましたが、「無理です!先生はそうやって簡単に言うけど、学生の気持ちとしては無理なんです!」と言われました。
お互い教師でありながら学習者でもあり、面白い関係だな、と思いました。
彼女の教師としての成長、そして「教育はヨルダンの未来を作る大事な要素」と自覚してそこに貢献しようとする彼女の姿勢は聞きにきてくれた日本人の胸に響いていました。

⑨ファラさん「わたしが尊敬する人『祖母』」
動画はこちら

ラシャーさん、マイさんと同じレベル4の学生です。そしてマイさんとは大学の専門も同じ。仲良し2人組です。
彼女は自分のおばあさんについて発表しました。
ファラさんのおばあさんは子育ての後に学校に通って大学も卒業、というやや特殊な方ではありますが、ヨルダンではこのように特殊なことをしていなくても、みんなが祖父母を大切にしています。
いつも思うのですが、イスラームの文化とアラブの文化は家族を大切にしています。ファラさんも言っているように、おばあさんを愛しているし、とても大切にしていていいな〜と思います。
残念ながら、ファラさんの発表の際に私はこの後の休憩時間用のコーヒー紅茶などのセッティング作業のために中座していたので動画でしか見ることができませんでした。残念!!
そして、こういう作業を当日教師がしなければならないなんて!!と怒りを感じますが、、、まあ仕方がないです。
でもビデオがあってよかったです。

以上、スピーチ部門9名の発表でした。
学生の皆さん、お疲れ様でしたーーーー!!!
スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://h1roko.blog.fc2.com/tb.php/291-2442b21d