もし日本語教師がアラビア語を勉強したら

日本語教師とは語学のプロ(のはず)。そんなプロ(の駆け出し)が語学に挑戦したら、どうなる?をテーマに始めたブログも、アラビア語学習編、ヨルダン生活編、日本生活復帰編を経て、大学院編に突入します!

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夏の思い出。すごい学生がいた!

前回、成績についていろいろと書きました。
そもそも、私はヨルダン大学の中の日本語コースと、外部の一般公開講座の2カ所で日本語を教えています。

つまり、大学の単位がとれる科目としての日本語と、大学とは何の関係もなく、勉強したとしても何の資格にもならない日本語を教えています。

大きな傾向として、大学で教えているとやはり成績が重要でテスト前は必死に勉強しています。そして一般公開講座では趣味のためなので好んで勉強をしている人が多いし、日本語のテストの優先度は低いので仕事や学業の都合で後回しになることが多いです。

テストの結果から見ると、大学の学生の方が高いですが、会話能力は一般公開講座の学生の方が高い人が多いです。あくまで傾向ですが。

とはいえ、大学の学生たちが全くやる気がないと言ったらそうでもなく、日本語が勉強したかった!と言っている学生もたくさんいて嬉しい限りです。

中には「本当は日本語を専攻したかったけどなかったから韓国語(または中国語)を勉強している」とまで言っている学生もいます。複雑な気持ちです。

そんな状況なので、日本語が好き、勉強したいという学生に対して教えることが多いので教師としてはこれ以上の喜びはありません。
確かに宿題を出したら嫌な顔をされたり、成績について学生ともめたりすることはありますが、根底には日本語への興味、日本への関心がある学生なので、イライラしながらも楽しく教師生活を送っていました。

「送っていました」と、思わず過去形になってしまいました。
なぜなら・・・すごい学生と出会ってしまったからです。
その学生は仮にAさんとします。
Aさんはもともと私のクラスではなく、同僚のK先生のクラスの学生でした。
中間テストの頃に「3回しか来ていない学生がいる・・・」とK先生が言っていて、「まあそういう人もいるけど、どうせもう自主的にドロップアウトでしょう。気にせずいこう」という話をしていましたが・・・なんとそのAさん、授業に3回しか来ていないのに、中間テストに来ました!!

人数が多いクラスなので私も試験監督をしていたのですが・・・このAさん、テスト中かなり挙動不審。
キョロキョロまわりを見ていたと思ったらテスト用紙に向き合って、なんかブツブツ独り言を言って・・・もしかしてカンニング??
でもテスト用紙が真っ白なのでカンニングをしているわけでもないような・・・。
しかも「終わりました」と提出した用紙は真っ白。

うーん、、、これはもう落第でしょう

そもそも、大学のルールで7回以上授業を休んだ人は自動的に落第です。
中間テストまでに15回授業をしているので、その時点でAさんはアウトです。

さらにはテストを採点したら9点だったそうで、もう誰が見ても立派(?)な落第です。

ですが、AさんはK先生に懇願し始めました。

仕事が忙しくて勉強する時間がなかった。テキストを失くしてしまって(!?)勉強ができなかった。今まで忙しかったけどこれからは一生懸命勉強する。明日から1回も休まない。もう今学期でこの日本語のクラスの単位が取れなかったら卒業できない。。。

といったことを英語で必死に説明。

いやいや、もう9点だし授業にも来ていないし、落第でしょう。

と思いましたが、一応最後のチャンスということで、今後1回も休まないという約束で様子を見ることにしました。

そして翌日・・・Aさん、来てねーーーーーーーーーーーー!!!!


というわけでもうダメだね。さようならだね。
ということになったのですが、、、さらに翌日。

Aさんキターーーーーーーーーーーー!!!

なんで今日来た??
謎。すごく謎。
さすがのK先生も「最後のチャンスをあげたのに、昨日休んだからダメです。落第です」と伝えていました。
でも、Aさんの懇願が始まりました。先日の懇願にプラスして、昨日休んだのは仕事のトラブルがあって、、、とか、自分は脳に問題があるから勉強ができないとか、家族がいるから働いているとか・・・なんかうんにゃらかんにゃら言っていました。

この話し合いはオフィス内(私の席の隣)でしていたので、私も見るに見かねて(聞くに聞きかねて)、横から口を出しました。
「いやいや、もうあなた無理です。最後のチャンスにもこなかったし、仕事の事情と私たちとは何にも関係ないですし、そもそもこれは私たちのルールではなくて大学のルール上、あなたは落第です。文句があるなら学科長に聞いてください」

とお伝えしました。

すると、

あなたは関係ない。黙っていてください

と言うので、

「いやいや、あなたが黙ってください。私も日本語チームの教師ですから関係者です。私たちは大学のコースを教えています。だから単位は大学のルールから外れた人にはあげられません」

と言ってバトルモードスイッチオン!

でも、Aさんは納得したのかその場を引き下がりました。
。。。と思ったら、クラスメイト(とはいえ3回しか参加していないのでそこまで仲良いとは思えないが)に懇願!

「お前からも先生に言ってくれよ〜」みたいなことを言ったようで、心優しい学生が「せんせい・・・」と再びオフィスに!
申し訳ないけど、これは彼の問題なんだから、あなたは考えなくて良いんだよ、と柔らかく拒否。

いやー、本当にすごい学生だなー・・・と思ったらさらに続きが!!!

数時間後、オフィスにやってきて再度、懇願!!
さらに土下座!!!

もう手に負えないので、責任者である学科長のオフィスへ連行。
そこで学科長から正式に落第しかないことを伝えてもらいました。
(ちなみに、他のクラスでも同じことを繰り返していたらしく、学科長もAさんを知っていました。その上で「またか!」と怒られていました)


いやー、もう本当に勘弁してくれよー・・・。でもまあ解決だな。

と思ったらまだまだ甘かった!!!

次の日も来た!

まさか散々落第だって言われたのにまた来たよ!!
しかも10分ぐらい遅刻して教室に入ろうとしたよ!!!

と、まあAさんが来ることは我々も予想していたので、もし万が一来た場合は教室に入れずに私が追い返す、という役割を決めていました。


教室に入ろうとするAさんを引き止めてミニライブラリーのソファで話し合い。っていうかあなたもう落第ですよ。
と、お伝えしたところ、「でも学科長が来ていいって言った」とAさんは言います。
いやいや、そんなわけないじゃないですか。いやいや、本当だ。
と押し問答なので、その場で学科長に電話をしたところ、「私は何も言っていないよ。彼は嘘つきだ」と学科長。

・ ・・もう、なんだろう、この脱力感・・・。

電話の内容を伝えて帰ってくださいと言ったら「そんなに私が嫌いか?」とAさん。
ええまあ嫌いですけど、それとこれとは別なので、
「何度も言いますが大学のルールであなたは落第です。私の感情や意見は関係ありません」
と言ったところ、Aさんが「じゃあ、100JD払ってください」と言い出しました。

え?は?どういうこと???

どうやら、コースのお金を払ったのに受けさせてもらえないので100JD払ってください、という意味らしいのですが、いやいやいやいや、なんだこいつ??

しかもコースの代金は15JDと他の学生が言っていました。
まあ、もとの料金がいくらかは知りませんが、払う気は一切ないので、Aさんが何を言っても「NO」「NO」「NO」で押し通して、いよいよAさんがため息とともに立ち上がりました。

そして、最後に、

「日本人は優しいと聞いていたけど、本当は違う。韓国の方がいい」

と、言い残して帰っていきました。

「じゃ、韓国語を勉強してください。さようなら」

と、お伝えしてなんとか一件落着・・・だといいのですが。
また来たらどうしよう。こわいよー。こわいよー。
こんなすごい学生は初めてです。

(その後、2週間以上経ちますが、Aさんはあらわれていません。ホッ)
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