もし日本語教師がアラビア語を勉強したら
日本語教師とは語学のプロ(のはず)。そんなプロ(の駆け出し)が語学に挑戦したら、どうなる?をテーマに始めたブログも、アラビア語学習編、ヨルダン生活編を経て、日本生活復帰編に突入します!

怒ったり叱ったり、、、教師の仕事

ヨルダンでの2年半の教師生活の中で怒ったことと言えば、スピーチコンテストの会場を突然「貸さないよー」と大学に言われた時や、講師の給料を「払わないよー」と日本語教室運営団体に言われたりした時や、理不尽な申し出をしてくる機関や団体に怒ることは多々ありました。
ですが、学生に対して怒ったことは...たぶんないです。

あ、いや訂正。
人生をなめたような発言をしたり女性にだらしない男子学生には殴らないまでもキレたことは何度かあります。

あ、さらに同僚にはキレまくりでした。すみません。

何が言いたいかというと、「静かにしなさーい!起きなさーい!」とか、「やる気がないなら帰れ!」といった類の言葉を吐いたことは一度もありませんでした。

それは、ヨルダンでは日本語を学びたい人が勉強しているだけだったし、長くても1時間半の授業なので、みんな集中力があったからです。

大学の授業であっても、少なくとも興味があってきている人ばかりだったし、少人数なので寝る隙もありませんでした。
全然できない人は多々いましたが、それでも楽しそうにしています。
楽しくない人は来なくなるか、受け入れ拒否ができました。

と、ヨルダンの状況と日本を比べても意味がないのですが、帰国してから本語学校で働いていると、1日4時間の授業でぐだーっとしている学生が本当に多くて驚きます。

そして「勉強したくない」「眠い」という人が多いです。

眠い理由はアルバイトだったり、不眠症だったり、なんとなく眠かったり、授業についていけなかったり、、、
勉強したくないのは、テストばかりで嫌だったり、そもそも日本語に興味がなかったり、、、
中には「周りが下手だから話したくない」と言っている学生もいます。
ちなみに、このセリフを吐いた学生は知識だけで全然話せないし発音もワケワカメな方です。

私も1日4時間、アラビア語学校に通っていたことがあるので、集中できないのも眠くなるのもわかります。
そして先生が一方的にわーわー話している言葉が全然わからなくてぼーっとしてしまうこともあります。

ですので眠い、ぼーっとしている、、、という学生の気持ちもややわかります。

だから会話の練習や書く練習、映像を見ながら発声練習など、いろいろ試してみましたが、会話練習も学習者同士のペアなのでペアにした途端に日本語以外を話す。もしくは黙って寝ている。
それを揺さぶり起こしてやらせる。
1組を揺さぶっていると遠くで別の組がまた寝る...というまさにもぐらたたき状態。

それでもなんとかやってきましたが、ついに先日、学生の眠気ピーク!携帯いじりまくりピーク!!
私も気合を入れていたけど空回りして疲れピーク!!
になってしまったので、終了20分前に何を問いかけても「シーン...」という沈黙が続いてしまいました。


そこで、いつもなら発言が出やすいようなフォローを出しますが、もういいや...と思い、

「みんな、勉強したくないですか?じゃ、やめましょう」

と言いました。

最初、何のことかわからなかった学習者たちですが、続けて私が、

「はい、今日はもう終わり。これは宿題です」

と、宿題を配り、

「はい、好きなだけ携帯を見てください。国の言葉を話してください。寝てください」

と、取り上げていた携帯を学生に返しました。

「じゃ、あと20分は自由です。どうぞ」

と、私も座って携帯をいじり始めました。

そこで、やっと「これはやばい!」と思ったらしい数人の学生がざわつき始めました。
隣の寝ている学生を起こし、携帯を置き、教科書を開きましたが、

「いや、いいよ。勉強はもう終わり。だって、勉強したくないでしょう?」

と私が言ったので、さらに学生は恐縮。

「先生、、、先生、、、」

と、片言で「勉強、教科書、、、」と小さい声で学生が言ってきました。
勇気のある学生が大きな声で

「勉強します!!」

と言ったので、私は他の学生をみて、

「みんなはどうしたいですか?」

と聞いたら、満場一致で「勉強したいです!」と。。。

いまだかつてないやる気の塊(というか私の態度にみんな硬直しただけですが...)。

仕方ないので、私は時折笑顔を見せつつ残りの時間を全うしました。

この時の私の気持ちですが、怒りというよりは、「もうどうでもいい」という投げやりな態度でした。
怒りではないですが、叱るというわけでもなかったと思います。
完全に学生を見放していました。
それほど学生が悪かったわけではないと思います。
いつもと同じように授業を受けていたわけで、なぜ同じようにしているのに私の態度がこんなにも硬化したのか、不思議に思ったかもしれません。

実は、その日は私にとって今学期最後の授業でした。
だから、私は余計に気合が入っていたし、余計に学習者にがっかりしてしまったのかもしれません。
今日で最後だから、せめて彼らの人生に何か少しでも揺さぶりをかけたいと勝手に思ってしまいました。
...やはり私は怒っていたのかもしれません。有終の美になれなかったのを学習者のせいにして。
私がもっとわかりやすい授業、参加して楽しくなれる授業を演出するべきでした。
(だって向後先生は...以下略)

と、反省は尽きませんが、このように授業を放棄するのではなく、怒るというか叱るというか学習者に意見を言うことも教師の仕事なんだとつくづく思います。
「私はできる」と思っている学習者には「できていないよ」と言うのも仕事。
寝ている人に「あなた何のためにここにいるの?」と言うのも仕事。


最後の最後でそれらの仕事をしてこなかった自分に気がつきました。
なので、もう間に合わないかもしれませんが、授業が終わった後に金八先生的なメッセージを送り、個別で、「君はまだまだできていないからね」などの指摘と応援の言葉を投げかけました。

きっとこういう言葉は1、2度で浸透しません。
何度もなんどもいうべきなんです。

本当に、教師の仕事は幅広いです。
日々、勉強です。
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